迷いの窓N0.27
Shall We Dance? U
2004.5.11
  ダンスを嗜んでいる方は、実年齢よりずっとお若い!
どこのダンス教室でも年に何度かパーティーを催し、練習の成果を発表する機会がある。
競技や発表の場に出場するのはあくまでも本人の目標であるが、踊りたいという一念と人に見られることにより、驚きの相乗効果をもたらすことがある。

昨年のクリスマスに函館のホテルで行われたダンスパーティーでのこと。
宝塚スターばりのステージメイクと、プロ顔負けの美しいドレスに身を包んだ発表者の姿があった。  中には脳梗塞に倒れながら必死のリハビリをして、晴れのステージで華麗なステップを踏むご婦人、普段は背中が曲がっているにも拘わらず、踊る時には背筋がピンと伸びている奇跡の方。  お二人とも70歳を超えておられるとの事だが、ダンスもお顔の表情も輝いていた。

  ダンスというと今でも心残りなことがある。
「骨食い太郎」の著者、松下さんと出会いをした時、車椅子でもダンスが踊れるという話から、、ダンスを教えてさしあげる約束をした。
「右手がなくても大丈夫ですか?」と訝しがる松下さんに、片手でも踊れることを喫茶店のちょっとしたスペースで手ほどきしたことを覚えている。
逢うは別れのはじめと言うが、知り合って3ヶ月で急に函館へ旅立つことになり、約束を果たせなくなったことを申し訳なく思っている。

そののち松下さんがHPの近況の中で、その時の回想をしたためられていた。
「一度しか踊れなかったけど、心ときめく思いがした。」と・・・
壮絶な難病人生を生きる松下さんは、TVにもご出演された「元気印」の伝道師。
全国からの講演依頼も増えている。
お身体の許す限り、憧れの北海道で講演のお仕事でもあれば、是非ダンスの続きを、と願っている。

  再び、車椅子ダンスの講習会がないかとインターネットを検索していると、感動的なHPに出合った。
心の病を抱え過呼吸症候群と自傷行為に悩む一人の少女と、事故でサッカーのプロ選手になる夢を断たれ車椅子の生活を余儀なくされた少年との運命的な出逢い。
やがて彼らは「車椅子ダンス」を通して「魂の再生」とも言える新たな人生を切り開いていく。
現在は今秋11月に東京で開催される車椅子ダンス世界選手権大会が当面の目標。
この感動を共有したい方は、是非HPをご訪問いただき、世界へ羽ばたく若い二人の応援をお願い致します!
http://www5a.biglobe.ne.jp/~adayoko

  また過日、教育テレビの福祉の時間。
女優の松島とも子さんが車椅子の若いパートナーと車椅子ダンス競技会に挑む姿が放映された。
福祉という番組割に少々疑問を感じながら見ていたが、車椅子のパートナーと踊るのはやはりコツがいるようだ。最初はフラフープで練習していた。
茶道や香道、礼法で学んだ一連の所作と同様に、一円相を描くような気持ちで踊るのが極意だそうである。
とすれば、「車椅子ダンス」も”障害”などという言葉から解き放たれて、心を自由にして一円相を見る「禅」の境地に至れば、人生の新たな楽しみも見出せるということか!
またまた私の好奇心が、胎動を始めたようである。

魅惑のソシアルダンスをまだご存じない方は、是非ともShall We Dance?
迷いの窓トップへ メール