法衣の色


木蘭



柑子色

香色

黒橡

鈍色
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思想 宗教・哲学
インド バラモン・多神教 仏教 壊色(・K・木蘭)または(青・泥・茜)
中国 古代の陰陽五行説 儒教、道教 五正色(赤・白・青・黄・黒)
日本 多神教 神道 白、香色


  インドで生まれた僧侶の衣は壊色であったものが、中国で陰陽五行説に基づいた儒教思想の影響を受けて五正色となり、さらに日本で神道と融合して、清浄の色として「白」という新しい色を加えることになる。
日本では天子が神道によって国家の祭祀を行うことから、仏教が融合するためには不浄の色である壊色を廃して、清浄の色である「白」を以って法衣を作る必要があった。
日本独自の仏教の夜明けは、白を基調とした光の色として法衣にその創世を見るこになる。

1.壊色(えじき)  とは  ?

(あお)
酒の瓶上に覆った銅器に生じる錆びの汚れた色
K(くろ)
川底の土のような緇泥。錫の錆びついた色。純黒ではない。
木蘭(もくらん)
木蘭の樹皮の色で黄みを帯びた褐色。赤塵、赤土で汚れた色

2.五正色(ごせいしょく)  とは ?





  中国の陰陽五行説から生まれた基本色。、赤、黄、白、黒
万物の五元素としての五行、木、火、土、金、水に配当されている。
壊色はそれぞれ正色に転化する。  (鉄錆)⇒赤、K(緇泥)⇒黒、木蘭⇒黄
日本では国技である相撲の土俵上の屋根の四方に下げられる四房(しふさ)に、その面影を偲ぶことができる。
なおこの四方位を司る神を四神と呼び、北東を青龍()、南西を白虎(白)、南東を朱雀(赤)、北西を玄武(黒)が守る。

  平安京に実在した陰陽師、安倍清明が映画化され話題になっているが、京都はまさにこの四神相応の地として桓武天皇によって造営されて以来、1200年の時を経ても古の姿を色濃く残している。
また奈良県の明日香村で発見されたキトラ古墳石櫃内部の壁画(7世紀〜8世紀初頭造)に、四神が描かれていたことも、まだ記憶に新しい。
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